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ほっとしたい

2017.12.14

こころをゆるめる動物写真「かわいい」の効力

2017年も終わりが近づいてきましたね。会社でもご家庭でも何かと忙しく過ごされている方が多いのではないでしょうか。そんなこの時期に、ホッとこころ安らぐひと時をプレゼント。動物写真家・小原玲さんのコメントとともに、小原さんが厳選した愛くるしい動物たちの写真をご紹介します。疲れたこころにスーッと染みる「かわいい」をご堪能ください。

タテゴトアザラシの赤ちゃん

カナダの流氷で生まれるタテゴトアザラシの赤ちゃん。2週間だけ白い産毛をまとっている。

ニホンザルの親子

吹雪の中、温泉に入る長野県地獄谷温泉のニホンザルの親子。「スノーモンキー」と世界中から人気。

フロリダマナティの子どもたち

フロリダの冬の海で撮影。「好奇心旺盛に私に近づいてきてくれました」と小原さん。

北海道で暮らすシマエナガ


アザラシの赤ちゃんに似た顔をした可愛い小鳥。零下20度以下で空気中の水分が凍って霧氷が付いた木に止まっている様子。

小原さんにインタビュー


■動物の写真を撮り始めたきっかけとは?

以前は、報道カメラマンとして活動していました。事件や事故の現場、戦地など、人間の悲しみや痛みの極致を目の当たりにしてきました。けれど、私が現場で目撃して伝えたかった真実と世間の解釈には常に乖離があって。そのジレンマに苦しんでいたんです。そんな時、入院中の家族のもとにお見舞いのハガキが届いたんです。それはかわいいアザラシの赤ちゃんの写真がプリントされたものでした。同じ「写真」なのに自分が撮っているものと違って、人を癒して気持ちを明るくすることができるなんて。自分の撮った写真で、人を楽しませたい。もともと写真を撮り始めた頃の初心を思い出したんです。それで、アザラシの赤ちゃんに会いにカナダへ向かい、動物を撮影するようになりました。撮るものが変わって、当時を知る方たちからは「人が変わった」なんてよく言われます(笑)。

■撮影の裏側を教えてください。

最初に発表したのは、1990年カナダで撮影したタテゴトアザラシの赤ちゃんの写真です(写真1)。それ以降可能な限り毎年撮影に行っています。2003年には当時幼かった息子も一緒に行ったのですが、彼はアザラシの赤ちゃんを枕にしようとしたり、氷の滑り台で遊んだり。人工物の何もない大自然の中で、大人はアザラシの赤ちゃんにだけ目を奪われ、写真を撮ることに一生懸命になっているのに、子供というのは動物や自然に対して、大人と違った視点を持って接するのだなと気付かされた瞬間でもありました。マナティの写真はフロリダの冬の海で撮影したものです(写真2)。体は大きいですが、2頭ともまだ子供なんですよ。マナティは地球上で一番優しい動物とも言われていて、草食動物なので他の動物や人間を襲うということはありません。とても懐っこくて、向こうからこちらに近づいてきて背中を向けてくるんです。背中のコケを落としてくれと(笑)。私が撮る野生の動物たちは、こちらが追いかけてさえいかなければ、むしろ興味を持って私たちに近づいてくれたりすることもあります。私もそんな彼らを撮影する時には、自分の子供を撮るような気持ちで「かわいい」「好き」と感じる心をそのまま写したいと思っています。


■写真集が大人気の「シマエナガ」について教えてください。

温暖化の影響で流氷が張らずに、アザラシの赤ちゃんを撮影できない年が増えてきています。今年は流氷が張らず撮影はできないと連絡を受けて落胆している時に、アザラシの赤ちゃんに似ている鳥がいると教えてもらったんです。それがシマエナガです(写真4,写真5)。シマエナガは体長14cmほどのスズメよりも小さな鳥で、肉眼で表情までは見えないのですが、望遠レンズで覗いている時に、あのクリクリお目目と視線が合うと、もう「やられた〜」って感じで(笑)。シマエナガは長い時間じっと止まっていることはないので、5分撮り続けられたらラッキーです。追いかけると逃げてしまいますので、彼らの行動を先読みして次に行きそうな場所で待つんです。そして約半年かけてシマエナガを撮り続け『シマエナガちゃん』という写真集を出しました。そしてもう1年半かけて四季を追い続編の『もっとシマエナガちゃん』も出しました。どちらもシマエナガの生態を伝える、姿をクリアに写すことが目的の写真ではなく、私自身が「おもしろい」「かわいい」と興味を持って見つめた瞬間を収めた写真集になっています。

「好き」は原動力

■写真をご覧になる方たちには、どんな想いを届けたいですか?

写真集『シマエナガちゃん』は、小さなお子さんたちにも喜んでいただけているようです。それは、撮影している私自身が「おもしろいな」と好奇心を持ってシマエナガを見つめている視点が、お子さんたちの好奇心と重なるからなのかなと思っています。理屈抜きに「かわいいな」「好きだな」と、感じていただけるとうれしいです。かわいいものを見て、「かわいい」「好き」と思う自分の感性を大切にして欲しいです。感性は裏切らない、強いものだと思うんです。「好き」という気持ちは、原動力になります。環境問題についても講演活動をしていますが、「自然を大切にしましょう」なんて呼びかけるよりも、野生の動物たちを「好き」になってもらうことの方がずっと意味のあることではないかと。好きなものは、大切にしたいと思うものですから。大きな原動力ですよね。


小原さんの愛情と優しさに満ちた視線が感じられる、動物たちの写真。作業の手もグルグル巡る思考も一旦止めて、その「かわいい」に癒されてみませんか。

(プロフィール)小原玲
動物写真家。報道カメラマンとして国内外で活躍後、アザラシの赤ちゃんとの出会いを契機に動物写真家に転身。28年間に及ぶ流氷取材から、地球温暖化の目撃者として環境問題の講演会も行っている。北海道で暮らす体長14cmほどの小さな鳥シマエナガを撮り下ろした写真集『シマエナガちゃん』(講談社ビーシー)が大ヒット。第2弾『もっとシマエナガちゃん』(講談社ビーシー)も好評発売中。その他著書に『流氷の伝言―アザラシの赤ちゃんが教える地球温暖化のシグナル』(教育出版)『ホタルの伝言』(教育出版)など。

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