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2017.4.27

原田曜平さんに聞く チームパフォーマンスを高める「さとり世代」との向き合い方<後編>

欲が少ないと言われる、今の若者「さとり世代」。みなさんも一緒に仕事をする機会が増えてきているのではないでしょうか?今回は、博報堂ブランドデザイン 若者研究所のリーダー・原田曜平さんにお話を伺いました。「さとり世代」を理解することで彼らの力を引き出し、チームパフォーマンスを最大化させるためのポイントを、<前編><後編>にわたってご紹介いたします。

職場で望むのは、“ほどほど”“そこそこ”のバランスの良い状態。

■職場における、「さとり世代」と他世代とのギャップとは?

団塊世代とそれ以前の世代とでは、戦争という大きな節目がありましたが、戦後に関しては社会は緩やかに変化しています。戦後、強いて節目となる世代を挙げるとすれば、現在40代前半を迎えた団塊ジュニア世代ですね。団塊ジュニア世代の前は、バブル世代です。多少の上下はあれど、概ねずっと経済が成長している中育ってきたのに、ちょうど自分たちが就職活動のタイミングでガクッと景気が落ちた、経済の面での“負け”が生じた社会に出た世代です。団塊ジュニア世代以降の世代の人口は、徐々に減少を続け、インターネット、携帯・スマホ、SNS化は進み、「さとり世代」とは大きな断絶はなく地続きのような関係と言えます。
しかし、「さとり世代」が1学年約120万人なのに対し、団塊ジュニア世代は約200万人と倍近い人数がおり、物理的に競争が多い中育ってきました。彼らから見ると、圧倒的に競争の少ない中育ってきた「さとり世代」は“やる気がない”、“覇気がない”、“元気がない”と映ってしまいがちなのです。また団塊ジュニアは、直前まで好景気に沸いていたのに、目の前でハシゴをはずされたというような感覚を経験しており、日本社会に対する憤りのようなものを抱えているような傾向があります。しかし、「さとり世代」は不景気慣れしていて「こんなもんでしょ」という感じでメンタリティが全く違います。そうした「さとり世代」の変化を上の世代が理解できていないことが多いのです。

■「さとり世代」は、どんなモチベーションで仕事をしているのでしょう?

「さとり世代」が望むのは、“そこそこ” “ほどほど”。飛び抜けもせず、落ち込みもせずのバランスのいい状態でいたいというのが、「さとり世代」の特徴なんです。毎年行われている新入社員を対象にした調査で、「社長になりたい」という新入社員は毎年過去最低を更新し続けています。社長は大きな権限を持てるけれど、その分責任も大きく、不祥事など起こった際には矢面に立たされ大変そう。そんな風に考えているようです。逆に「管理職になりたい」という回答は増えてきています。部長や課長は、上とも下ともバランスよくやれるポジションというイメージがあるのでしょう。実際は管理職も大変なんですが(笑)。

■そんな「さとり世代」の力を引き出すには、どうしたらよいのでしょう?

「さとり世代」の親世代などは、仕事を頑張った分の見返りを受けていた、または受けていなくても受けられると信じることができていました。しかし、「さとり世代」は、頑張った分の見返りを得られない世の中だと感じています。だから、どこか冷静で、仕事にのめり込んで頑張ろうという気になれないのです。結果が得られないと、人間は頑張ることが難しい生き物ですから。そんな彼らに、きちんと“見返り感”を与えてあげられるかが大きな課題です。必ずしもお金じゃないかもしれないし、出世じゃないかもしれない。それが何か?まだ提示できていない日本企業が多いのではないでしょうか。 注意や指導をするときにも“会社のために”や“チームのために”という枕詞は、彼らには響きません。「そうすることが君のためなんだよ」と、本人のメリットにつながるような言い方で伝えることが効果的です。

仕事は教えてあげればいいし、時代は学べばいい。

■「さとり世代」が中心となり作っていく今後の社会とは?

上の世代が経験してきた、競争の多いガツガツした社会が必ずしも良いものとは言えません。派閥争いで人を蹴落としたり、頑張っている人が泥水を飲む結果になったり。経済的発展の裏では、そうしたことも確かにあったと思います。競争の少ない中育ってきた「さとり世代」が中心となってつくる社会は、優しい組織が増えるのではないでしょうか。成熟社会とはそういうものだと思います。上品でやさしい今の若者たちは、上の世代から見ると、単に弱々しく頼りない人々に思えるかもしれませんが。

■「さとり世代」を含め、さまざまな世代と働くみなさんに向けて、メッセージをお願いします。

平均寿命が延び、定年退職の年齢も上がり、職場でプレイヤーとして過ごす期間は長くなるでしょう。現場でプレイヤーを続けていくからには、味方をどんどん増やしていくべきです。しかも、自分とは違うキャラの味方を。世代の違う人というのは、自分と違う武器をもったまさにキャラの違う人たちです。若い世代に対しても、上司部下というより、自分の長引いた戦いを一緒に過ごす仲間と考えてみてはいかがでしょうか。いつの時代も、若者は未熟だし、経験値も少ない。「ダメな奴だ」と言ってもいいし、叱ってもいいと思います。しかし、若者は変化率の高い人たちです。時代と呼応して、どんどん変化していきます。中高年になると時代のことがわからなくなってしまいがちですが、若者を知ることで時代を知ることはできます。仕事は教えてあげればいいし、時代は学べばいい。そんなスタンスで向き合ってみてはいかがでしょうか。


今後の社会の中心となる「さとり世代」の特徴は、前編でご紹介しています。

【前編はこちら → http://www.mintia.jp/magazine/20170330/

(プロフィール)原田曜平
1977年東京都生まれ。博報堂入社後、「博報堂ブランドデザイン若者研究所」を立ち上げ、現役大学生と共に、若者に売れる商品やサービスの研究・提案を続けている。「さとり世代」や「マイルドヤンキー」などの言葉を広め、流行語大賞にもノミネート。著書も多数。青山学院大学陸上部の原晋監督との対談形式の近著『力を引き出す 「ゆとり世代」の伸ばし方 』が話題。

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