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力を発揮したい

2017.3.30

原田曜平さんに聞く チームパフォーマンスを高める「さとり世代」との向き合い方<前編>

欲が少ないと言われる、今の若者「さとり世代」。みなさんも一緒に仕事をする機会が増えてきているのではないでしょうか?今回は、博報堂ブランドデザイン 若者研究所のリーダー・原田曜平さんにお話を伺いました。「さとり世代」を理解することで彼らの力を引き出し、チームパフォーマンスを最大化させるためのポイントを、<前編><後編>にわたってご紹介いたします。

キーワードは、「ゆとり教育」「人口減少」「デフレ経済」「SNS」。

■そもそも、「さとり世代」とは?

「さとり世代」というのは、ゆとり世代の言い換えです。もともと私が作った言葉ではなく、インターネットの掲示板に、おそらくゆとり世代に該当すると思われる1人の若者が書き込んだ言葉なんです。ゆとり教育というのは大人が作ったものなのに、その教育を受けた自分たちが“ゆとり”と、ネガティブな意味合いを込めて呼ばれることに対し、多くの不満の声があがっていました。そんな中「自分たちはゆとってるんじゃなくて、さとっているんだ」という書き込みに、多くの賛同が見受けられたんです。本人たちが望む呼び方のほうがよいだろうということでゆとり世代を「さとり世代」と言い換え、それを広めていきました。
彼らが育ってきた背景には、いくつかの特徴があります。ひとつはゆとり教育を受けてきたということ、そして人口が少なく、競争が少ない環境の中で育ってきたということです。彼らにガツガツした感じがなく、ともすると“覇気がない”“やる気がない”と見えてしまうのは、こうした背景の影響が大きいのではないかと思います。また、経済の面では人生のほとんどを平成不況と言われるデフレ経済の中を育ってきたということも言えます。バブル経済を経験した親世代とは真逆ですね。そして、中学生くらいから、携帯、インターネット、特にSNSと接してきたというのも上の世代とは異なる点です。

■そうした背景が、彼らにどんな影響を与えているのでしょう?

デフレ経済、平成不況の中で育ってきたため、経済・仕事に対する不安は非常に大きいようです。転職率を見ると、彼らの親世代とあまり変わらないのですが、転職理由が全然違うのです。バブル世代である親世代が「もっと稼ぎたい」「こんな仕事をしてみたい」という未来志向だったのに対して、「さとり世代」は「この会社は、大丈夫なんだろうか?」といった後ろ向きな理由が多いのです。
また、人間関係に悩む、恋愛に悩む、というのはいつの時代の若者にも共通することですが、SNSの影響でそれが複雑化しています。友達、恋愛に関しては今までになかったような悩みが生まれているのです。例えば、 友達に裏で悪口を言われていても、昔なら本人は気づかずに済みましたが、今はそれがSNSの裏アカウントを使って行われ、本人が知ってしまうことで悩みとなったり。恋愛においても、気になる女の子のSNSを見て、「こんな高いお店で食事しているなんて、自分には釣り合わない」とか「こんな元彼がいたのか!」「人の悪口を書くなんて・・・」など、心が鍛錬されていない状態で現実を知ってしまうことになるので、恋愛にのめり込めない、消極的といった状態になってしまうのです。

■SNSの影響は、大きいようですね。

少し上の世代と比べて見ると、例えば40代が接してきたインターネット文化は、掲示板に代表される匿名の世界だったのに対して、SNSは実名で自分に好感を持ってもらう場です。「さとり世代」は一度会っただけの人ともSNSで繋がり、関係が途切れなくなっています。「なんとなく繋がっちゃっているから、みんなにいい顔をしなきゃいけない」という感じがあると思います。またSNS上で見られる彼らの特徴に“間接自慢”というものがあります。例えば「東京タワーがキレイ」というコメントと共に、彼氏が運転していると思われる高級車のエンブレムが写り込むように撮影した東京タワーの写真を投稿したり、「おいしいレストランに来たよ!」と言いながら、料理の接写ではなく、もう一人分のお皿が写り込んだ写真をアップして彼氏の存在をにおわせていたり。直接的な自慢で非難されるのは嫌だけど、自慢はしたいという気持ちを“間接自慢”で表現しているのです。

洗練された、上品でやさしい若者たち。

-「さとり世代」の優れた部分とは?

GDPが非常に豊かになってから生まれた若者たちなので、洗練されているとも言えます。また、SNSでさまざまな人と繋がりを持ち続けることで、気持ちを思いやれる、やさしい子たちが増えてきているのではないでしょうか。昔なら、大学に入れば大学の友人、就職すれば会社の同僚と、人間関係が自分の現在地周辺だけになり、同じような生活環境の人たちとしか繋がりがなくなってしまいがちだったと思います。しかし、今はしばらく会っていない、離れて暮らす知人・友人ともSNSで繋がっていることで、さまざまな情報が入ってきます。自分やその周辺が豊かな生活をしていても、旧友の大変そうな現状がSNSを通して見えてきたり。“気持ちがわかる”というのは言い過ぎかもしれませんが、目に入ると人はやさしくなりますから。色んな状況の人の気持ちを思いやれるというのは、仕事をする上でも必ずプラスに働くはずです。


そんな「さとり世代」の良さを、ビジネスシーンでより発揮するには?後編でご紹介します。

【後編はこちら → http://www.mintia.jp/magazine/20170427/

(プロフィール)原田曜平
1977年東京都生まれ。博報堂入社後、「博報堂ブランドデザイン若者研究所」を立ち上げ、現役大学生と共に、若者に売れる商品やサービスの研究・提案を続けている。「さとり世代」や「マイルドヤンキー」などの言葉を広め、流行語大賞にもノミネート。著書も多数。青山学院大学陸上部の原晋監督との対談形式の近著『力を引き出す 「ゆとり世代」の伸ばし方 』が話題。

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