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2016.12.1

出張料理人マカロン由香さんに聞く「おもてなし」のココが大切!

幼稚園教諭から料理人に転身したマカロン由香さん。「食」の道を志した想い、依頼人と一緒に「おもてなし」の場をつくる出張料理人という仕事、「おもてなし」の場をホストするときの心構えなどについて聞きました!

やるなら本格的に、徹底的にやりたい

■幼稚園教諭をしていたそうですが、料理人や「食」の世界を目指したきっかけを教えてください。

「幼児教育=子ども向け」という印象を持たれるかもしれませんが、幼児教育は教育の根幹で、幼稚園は「人としての土台をつくる場」だと思うんです。私のいた幼稚園は「子どもの個性を伸ばす」という方針で、教諭が考えたことを自由にやらせてもらえる環境でしたから、教材を自分でつくったり、講堂に飾る大きな絵を描かせてもらったり、オーケストラを呼んで音楽会を開いたり。仕事内容はとてもクリエイティブなものでした。

幼稚園で働きながら趣味で料理をしたり、友達を呼んで料理を振る舞ったり、コンテストがあれば応募したり。そんな風に「食」と関わっていたので、憧れや興味は持っていたんです。「教育」のクリエイティブも楽しいけれど、「食」のクリエイティブも面白そうだなと思うようになって、飛び込んだ感じです。

手を動かして何かをつくる「ものづくり」が好きでしたし、母の影響もあったと思います。母も人を招いて料理を振る舞うのが好きな人でしたから。子どものころ母の手伝いをして、華やかになるテーブルを見るのが好きだったんです。子ども心にワクワクしていたのを覚えています。

■マカロン由香さんは、フランスで修行もされていますよね。

「やるなら本格的に、徹底的に」という性分なんです。高校時代は「一番厳しいから」という理由で部活を選びましたし、10代のころ習っていた油絵も著名な現代画家に師事しました。その選択は「良かったな」と思うので、迷ったときはあえて厳しい道を選ぶようにしているんです。

だから料理を学ぼうと決めたときも、エコール辻という職人肌の学校を選びました。でも入学して4日目くらいに「フランス料理を学ぶのに、日本で勉強していて良いのか…」と思ってしまって(笑)。次の日には「フランスに行かなければ」と留学を決意したんです。

学校に通いながらフランス語の勉強を始めて、卒業後すぐに留学。一流ホテルのレストランに飛び込みました。完全実力主義の世界だったので、技術だけでなく「その気になればできないことはない」という感覚も身につきました。

■最初から出張料理人になろうと思っていたんですか?

フランスに行くまで出張料理人という職業があることも知らなかったんです。修業時代に料理関係の人と出会う中で、知りました。ずっと教育に携わっていたので料理教室を開くとか、レストランのシェフになるとか、そんな将来をイメージしていました。

きっかけは、フランスから日本に一時帰国したときに、ある人と出会ったこと。その人は従来のケータリングではなく、自宅で調理をしてくれるガストロノミーのシェフ(出張料理人)を探していたんです。当時はまだリーマンショック前で、富裕層たちのホームパーティも盛んな時期でした。出張料理のシェフという道も「いけそうだ」と。

日本でも上得意客の家に出向く料理人もいますが、基本は自分のお店があって、というケースがほとんど。「日本で出張料理人という職業を確立する」ことは誰もやっていなかったので、そこに挑戦してみたいという思いもありました。

今は、出張料理と料理教室が主な仕事。「幼稚園の先生が、なぜ?」と驚かれることもありますが、どちらも自分の中では自然な流れなんです。料理教室は「人に何かを伝える・教える」という教育の延長ですし、出張料理は「ものづくり」や「表現活動」の延長にあるものですから。

お客様の人生の大切なときに寄り添う、出張料理人の仕事

■出張料理人は、どんな仕事ですか?

ひと言で表すと、依頼主の思いを料理や空間で表現する仕事です。出張料理は一人ひとりのお客様にあわせたオーダーメードのサービス。決まったプランはありません。料理を出す場面も記念日パーティや法事、ワイン会、趣味の集まり、ビジネスの接待など、さまざまですね。

出張料理人はホストとなる依頼主と一緒に「おもてなしの場」をつくる立場なので、依頼主と直接会って話をすることを大切にしています。「どんな思いがあって会を開くのか」、「ゲストをどんな気持ちにさせたいか」、「なぜその場所なのか」、思いを共有することが大事なんです。

また直接会うことで、その方がどんな距離感で人と接するのが心地よいのかなども分かります。「その人らしい会」をつくる上で大切な情報は、肌で感じるものが多いですね。

■どんなところにやり甲斐を感じますか?また印象に残っている仕事についても教えてください。

出張料理は毎回が一期一会で、唯一無二。依頼主の思い入れも強く、自分の持てるすべてを出し切らないと、その思いに応えられません。その点では、とても責任が重く、また重労働でもあります。でも、「人生の節目」や「特別な意味のある時間」を依頼主と一緒につくり上げられる達成感、依頼主やゲストの反応がダイレクトに分かることなど、やり甲斐はとても大きいです。
同じ会は二度と無いので、どれも印象に残っています。一つ挙げるとしたら、大雪の日の出張料理でしょうか。

そこは茶室のあるお宅で、その日はお茶と料理を楽しむ会でした。大雪の影響で車が思うように進まず、会場入りの時間に遅れてしまったんです。依頼主に遅れたことを謝り、急いで準備に取りかかろうとしたのですが、その方は「まぁ慌てないで、どうぞご一服」と、お茶を点ててくださったんです。

普通なら急かされるような状況です。でもその方は「どんな人でも、ここに来た人は私のお客様。大雪の中を来てくれたのに、このまま仕事をさせるわけにはいかない。お茶を飲むことで開宴時間が遅れるなら、それでも構わない」と仰ってくださって。その心遣いがとても嬉しかったです。目の前の人とどう向き合うか。どんな眼差しを向けるか。「おもてなし」について考えるきっかけになりました。

大切なのは「誰とどんな風に時間を過ごすか」

■これから年末年始に向けてホームパーティも盛んになる季節ですが、自分がホストをするときに気をつけるポイントがあれば教えてください。

日本では、あれもこれもしてあげることが「おもてなし」という感覚ですが、フランスではもっとラフな感覚なんです。人を招くときもハムとチーズとワインと音楽があれば十分という。

それはきっと「その時間・その空間をシェアすることが集まる目的だよね」という意識があるから。

みんなで楽しめる料理を用意することも大切ですが、ホストの一番の役割は、招待したゲスト同士をつないだり、楽しい会話をしたりして、シェアする時間・空間が良いものになるように盛り上げることだと思うんです。そのために気をつけるポイントは「ホストがバタバタしないこと」ですね。

「あの料理も、この料理も」と、ホストがキッチンにこもっていたり、慌ただしくバタバタしたりしている会では、みんなでシェアする空間を盛り上げづらくなりますよね。

だから料理を用意するなら、作り慣れた自信のある料理が良いと思います。前日までに下ごしらえを済ませられるような料理だと、当日はバタバタせずにみんなとの時間を楽しめるのではないでしょうか。

■なるほど。「おもてなし」と重く考えなくても良いのですね。

ホームパーティでは食事もそうですが、「誰とどんな風に時間を過ごすか」のほうが大切だと思うので、あまり難しく考えないで楽しんでもらえたら嬉しいですね。

(プロフィール)マカロン由香(まかろん ゆか)
幼稚園教諭の経歴をもつ出張料理人。ホームパーティやVIP会食会、企業のレセプションパーティなどでの出張料理と空間コーディネートのほか、料理教室の主宰、企業の商品開発・イベントメニューの監修、レストラン立ち上げやウエディングプロデュース、テレビ・ラジオの出演、講演、ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァンの講師など、多岐にわたり活躍中。
オフィシャルサイト: http://macaron-yuka.com/
オフィシャルブログ: http://ameblo.jp/macaron-yuka/

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